*GWの芸術鑑賞*

GWいかがお過ごしでしょうか!?
 市立小樽美術館学芸員である星田七重さんに今回の「小樽運河・いまむかし」展について教えて頂きました。以下は星田主査が作成した美術館にあるパネルの抜粋です。小樽運河保存運動と藤森茂男氏との関係にスポットライトをあててみました!
 知らなかったという方もそうでない方も実際に運河と絵画を見に行きませんか?

【運河保存運動と藤森茂男】
 初期の小樽運河保存運動で、最も精力的に活動したのは藤森茂男である。小樽潮陵高校から多摩美術大学に学び、帰郷した1958(昭和33)年の「小樽博覧会」「潮まつり」の企画に加わった広告デザイナーである。市民に馴染みの深い潮まつりのロゴ、ポスター、提灯のデザインやサンビルのマークなど彼の仕事は常に小樽の街とともにあった。自らも運河を題材に絵を描くことが多く、保存運動の歴史は藤森を抜きにして始まらなかった。
 1972(昭和47)年、有幌の倉庫群が壊される様を目にした彼は、小樽運河に何が起ころうとしているのかを知った。それは道道臨港線工事決定済みの5工区3550メートルのうち、第1工区の工事が終了し、有幌の倉庫群を含む第2工区の用地買収や補償がすでに終わった時点だった。重厚な鬼瓦を掲げた石造倉庫群30棟が目の前で瓦礫の山と化していく。日頃馴染んでいた風景が一瞬にして崩れ落ち、次に着手する小樽運河まで500メートルの地点に工事は迫っていた。
 今立ち上がらなければ、この街から小樽らしさが消えてしまう。そう直感した彼は、まず運河の歴史を学び聞き取り調査を重ね、先人が血と汗を流した100年にわたる労働の現場だと確信していく。そして運河を保存する運動を始めるなら、小樽を愛する市民の手作りの組織にしたいと考え、既成団体や政治組織に頼らず、画家や詩人、建築家、一般市民から一人ずつ仲間を増やし、1974(昭和49)年12月発起人24名で「小樽運河を守る会」を発足させた。郷土史家の越崎宗一を会長に、自らは事務局長となり八面六臂の活躍をはじめる。翌年12月には市長や議会への陳情に走り、木曽妻籠、奈良今井町、倉敷など街並み保存再開発の先進各地を学び、市民の署名を集め、単身で文化庁、建設省など各機関へ陳情を行うという凄まじさだった。藤森が企画した「運河ポスター展」「大運河展」(小樽丸井)には、年齢も職業も異なる5000人もの人々が詰めかけた。彼の活動によって市民は、無用の長物だと思っていた運河の認識をあらため、自分の街を再度見つめ直し、運河保存のムーブメントに加わっていった。
 運動の渦中、藤森に埋め立て推進側からの圧力が加えられる。広告店の共同経営者であった実兄を亡くし、さらに自らも病に侵される。

***********************************
合わせて・・・
GW中のイベントです。
◆ 絵画と舞踊のコラボレーション「運河との対話」◆
5月9日(土)14:00~
小樽運河を描いた絵画を背景に、クラシック音楽での創作舞踊を上演します。いまを活きる人と過去に運河に思いを馳せた人が時を経て運河と対話します。

藤間扇久華(藤森五月)さん
・藤森茂男氏の長女
・日本舞踊藤間流師範
・月刊おたるの編集長
FaceBook
https://www.facebook.com/gekkan.otaru
* *********************************

【開催日程】
2015年4月25日(土)~7月5日(日)
9:30~17:00(最終入館16:30)

【場所】
市立小樽美術館
小樽市色内1-9-5
TEL:0134-34-0035
FAX:0134-32-2388

※休館日※
月曜日
4月30日(木)・5月7日(木)・8日(金)・12日(日)・13日(水)

【入館料】
 一般:400円(320円) 
高校生・市内高齢者:200円(160円)
中学生以下無料
*( )内は20名以上の団体料金
*3階「一原有徳ホール」共通

0コメント

  • 1000 / 1000